原因と予防

結石のほとんどはシュウ酸カルシウム結石で、尿の中にカルシウムと シュウ酸(ほうれん草などに多く含まれる)が増えすぎて結合し、 それが腎臓で結晶化して結石に成長したものです。

このカルシウム結石ができる原因は、肉類や糖質のとりすぎ、カルシウム不足、 過度の飲酒などといわれています。

本来、このシュウ酸とカルシウムは腸の中で結合し、便として排泄されます。 しかし肉類中心の食事を続けていると、肉類に多く含まれる脂肪酸が、 カルシウムと結合してしまいうようになります。

すると、カルシウムに結合できず余ったシュウ酸が尿の中へ吸収されます。 そこで尿中のカルシウムと結合して結石ができるのです。 カルシウムが不足した食事が続いた場合も、やはりシュウ酸の結合相手である カルシウムが足りなくなり、腸内にシュウ酸が余り、尿中へ排泄され、 そこでカルシウムと結合して結石となるのです。

また、腎臓にはもともとクエン酸やマグネシウムなど結晶化を阻止する物質が 存在しますが、これらが不足することによっても、結石はできやすくなります。 つまり偏った食生活による偏った体内環境が、結石を作る原因となるのです。

【食生活の基本的な改善】
●水分をたっぷり摂る

食生活での心がけで最も注意したいのは水分の補給です。結石は尿の 過飽和状態が要因となるので、それを防ぐために水分の摂取は大切です。 尿中のミネラルの濃度を低くするために、1日2リットル以上の尿量を保つよう 水分を十分摂りましょう。「夜作られる」と言われる結石の予防には、 夕食後の水分補給がポイントとなります。

汗をかいて尿量が減る夏も努めて水分を補給するようにして下さい。 しかし、アルコールを大量に飲むのでは逆効果です。ビールにはシュウ酸、 さらには尿酸のもとになるプリン体が多量に含まれています。

●カルシウムをしっかり、脂肪は少なめに

尿路結石の約80%はシュウ酸カルシウムなどカルシウムを主成分としています。 この種の結石の形成・再発には尿中のシュウ酸のコントロールが重要です。 結石予防のためには、カルシウムをしっかり摂るようにしましょう。

カルシウムは腸管中でシュウ酸と結合し、シュウ酸カルシウムとなり、 腸より吸収されなくなり、尿中へのシュウ酸の排泄を抑制してくれます。 女性では骨粗髭症の予防にもつながるカルシウムをしっかりとって下さい。

また、脂肪を多くとると吸収されなかった脂肪酸が腸内でカルシウムと結合し、 シュウ酸と結合すべきカルシウムが減少してしまいます。このため、吸収可能な 遊離のシュウ酸が増えてしまいます。脂肪の摂取は減らしてください。